せこ歯科ブログ
歯周再生療法マスターコース 第3回

歯科医師の前田です。
先日歯周組織再生療法マスターコース(IPRT)の第3回に参加してきました。これまでに様々な術式を学び、今回は重度の歯周病への治療や考慮すべき事項について、また再生療法の術後の合併症、その対策について、そして根面被覆の基本的な知識からよりアドバンスなところまで盛り沢山でしたので、頭をフル回転させて受講してまいりました。
全顎にわたり重度に進行した歯周病では、局所の場合と比べより複雑な問題を解決していく必要があります。●歯の移動による歯列不正を改善するための矯正治療 ●保存不可能な歯の抜歯に伴う最良な補綴処置 ●再生手術を行う部位、順番 等を総合的に考え、より慎重に治療計画を立案する必要があります。多くの症例を提示してもらい、それぞれの症例にどのようなアプローチをして治療を行なったかを聴講し、様々な要因を考慮して治療計画を立てて治療を進めていかないといけないことを実感しました。

次に手術を行う際には術後の合併症が起こる可能性があります。(歯周ポケットが残存してしまうなど)様々な合併症に対して、その原因および対策の講義を受講しました。起こり得る症状を予め把握しておくことは治療を成功へと導くために必要不可欠なものだと改めて感じました。
そして根面被覆術について様々な文献を通じて、概念から様々な術式、またどの術式をセレクトするかの分類等を学びました。根面被覆術とは歯肉退縮をした部位に対する処置ですが、歯肉退縮の部位、範囲、退縮量、歯肉の厚み、隣在歯の状態等様々なポイントを総合的に判断して最適な術式を選ぶ必要があります。沢山の術式があり、それらを講義と模型実習にてポイントを確認しながら学んできました。講義を聞けば聞くほどとても奥が深く、この2日間では到底習得できないほどの知識量で、講義内容や様々な参考書や文献等を利用して、現在猛勉強中であります。

そして、2日目の午後からは豚顎を用いた実習を行いました。今まで学んできた歯周組織再生療法や根面被覆術の術式を再確認しながら行いました。模型とは違い豚顎はとても歯肉が薄いのでより繊細な器具の操作が必要となり、集中して実習に取り組みながらより実践的な技術習得に満身してきました。
この講習会も次回で最後になります。次回までに今まで学んできたことをしっかりと復習しつつ、また新たな事が学べることを楽しみに日々診療に努めてまいります。