私の父は鈴鹿で小児歯科を開業していました。
思い返せば、父は、外出から帰ると真っ先に、家の留守番電話のメッセージを聞いていました。
当時、幼かった私も、その光景はよく覚えています。
患者さんから留守電にメッセージが入っていると、父は必ず電話を掛け直し、必要があれば診療所に向かっていました。

中学生になった頃、日曜の休診の日、夕方に一本の電話がありました。
恐らく患者さんからだったのでしょう。
私は父と一緒に診療所に行くことになりました。

診療所に到着すると、そこには歯が痛い痛いと泣きわめく幼稚園くらいのお子さんがお母さんに連れられて来ていました。
私は、父に言われるがまま、その子をその子のお母さんと一緒に押さえ、父が治療を行いました。

そして、２日後、私がたまたま父の診療所を訪れると、あの痛いと泣き叫んでいた子が嬉しそうに父と話しをしているではありませんか。
あの泣きわめいていた顔からは想像できなかった、そのにこやかな顔に私は驚かされました。

診療が終わり、感謝しているお母さんの姿、父が子どもに対して「よう頑張った！！必ず良くなるよ。」と声をかけている姿を見て、私は歯科医師という職業の素晴らしさを感じました。

私は父から、どんな状況でも患者さんと誠実に向き合うことの重要性、必ず良くなると信じる大切さを学び、歯医者を目指すきっかけとなりました。
父は現在は引退していますが、今でも私の一番の師匠です。


そして、せこ歯科の世古先生と出逢い、考え方、技術、全てに感銘を受け「ニコニコ笑顔があふれかえる感動を与える歯科医院」の理念のもと、私なりに患者さんと精一杯向き合うことができ、今、歯科医師は私にとって天職だと感じています。

自分らしく精一杯できる環境の中で、歯科医師を志した頃の自分を実践できています。

これからも、ここで患者さんのため、全力で歯科医師人生を全うしていきます。